前情報

90年代。それはヴィジュアル系が奇跡の流行を見せたキラメキの時代。青春を90年代とヴィジュアル系に費やした私は、その隆盛と同時に2000年代に向けて一気に衰退していくヴィジュアルシーンを眺めてもいたのであります。そんな中、入れ替わるように台頭してきたのがメロディック・ハードコアでありPIZZA OF DEATHでありまして、その万人受けするバンドサウンドは多くのキッズを今なお夢中にさせているのであります。メロコアキッズからすると「ヴィジュアル系ってwwww音楽ジャンルなのにヴィジュアル系ってwwwwww」って感じであり即ちPIERROTとMALICE MIZERと槇原敬之(絶妙なゲイ感)に心血を注いでいた私は彼らからすると被差別対象でありそそそんな私が恐れ多くもジャムフェスに参戦!?門外漢の気楽さで当日の雰囲気をあますことなく伝えていきます。細かいところは事実と違うかもしれませんが記憶力のせいなので許して。1日目のみです。タイムテーブルはこちら

会場

ライブは黒い服を着ていかなければならない、という謎の価値観を持つ友人氏と落ち合ったのち、みんなめっちゃカラフルな服着てるじゃねーか!と問答をしながら専用バスで石巻へ。最初バス停に全然ひとがいなくて、係りのひとも「予約したひと全然来ないね」なんつって言ってるし大丈夫なのか!?と心配になりましたがちゃんと満員になり杞憂でした。

11時過ぎくらいに石巻に到着。工場の倉庫を改装してできた石巻ワンパークがメインステージ。そのすぐ隣に無料のアウトドアステージが設置されてました。

客層はPIZZA OF DEATH3割、MAN WITH A MISSIONファン3割、その他出演バンドのファン3割、何かおもしろそうなことやってるからとりあえず来てみたお祭り感覚の家族連れ1割、AMENRAティーシャツを着た再会の血と薔薇の末裔1名といった感じ。しっかしMAN WITH A MISSIONの名前はいたるところで目にし、改めて彼らの人気を感じました。

混雑具合は普通で、物販も吟味しながら買えるくらいの余裕ありました。

開演前に実行委員の岡氏とNAMBA69の難波氏が出てきて注意事項。地震などの災害が起きたときの避難についてかなり念入りに説明していました。私も石巻で被災した知り合いがいるので他人ごとではない。ちなみにワンボックスカーの上で水浸しの石巻を漂流したその知り合いは「こんなチャンス二度とない」と思ってスマフォで写真を撮ったら一緒にいた人に「そんな場合じゃないだろ!」と怒られたので、音がならないアプリをわざわざダウンロードして写真を撮りまくったということで、震災がいかに恐ろしいかが伝わってきます。

coldrain

本フェスのヘッドライナー。ONE OK ROCKやSiM、FEAR,AND LOATHING IN LAS VEGAS、ちょっと違うかもしれないけどマキシマムザホルモンなど、現在盛り上がっている日本のスクリーモ/メタルコアシーンの一角を担う有望バンドですね。

荘厳なシンフォニックSEののち開始。音源の印象通りの本格派エモメタルコア。低音がごりごり出ていて良い感じです。ガニマタも披露しまくってぼく満足。

数曲やってハーフな顔立ちのボーカル氏が話し出す。

イケメン「出てくるまえに、難波さんにボケて来いって言われて」
ぼく「むちゃぶり!」

上下関係こわい、と思っていたら聞き間違いでした。「届けて来い」でした。そのあと「おれら音楽で伝えるしかないんで」というようなイカニモな発言ののち再開。ボーカルの「まわれーっ!」の合図でサークルモッシュ!初めて見た!これがニコニコプンでやっていたあの!皆幼児に戻りきゃっきゃとまわり続ける。隅で指くわえてみてる私。ニコニコプンでもひとりはいるよねこういう子……会場大盛りあがりののち、合唱を促される。

イケメン「皆さん、おれらともうちょっと英語の勉強をしましょう」
ぼく「ぼけた!」
イケメン「◯×※△って、一緒に叫んでください」
ぼく「ききとれない!」

「ロックが好きっていう気持ちがウンタラ」というMCを聞いて、ああ、この人たちは“ロック”をやってるんだなあ、と妙に腑に落ちたところで終了。

とりあえず頭振るぜ暴れるぜお前らもな!みたいなライブパフォーマンスとペイント過多でわきだるだるのタンクトップ着てるファッションセンスが何かビジュアル系と被って私のバンギャ男心くすぐる名演でした。出身地調べたら名古屋だそうで、確かに名古屋系感あるのでこれからはcoldrainは名古屋系という誰も得しない自説を展開していきます。

余談ですがギターのひと、会場内禁煙なのにめっちゃパイプ吸ってました。いけない子!

The BONEZ

RIZEのJESSEを含む四人組。私はRIZEは「Why I’m Me」と「ピンクスパイダー」のカヴァーしか知らない、というパンピーな立ち位置でしたが、全然問題なく安心と信頼のラップメタルでした。音響が相変わらずの低音過剰でドラムとベースはエグかっこいいことになってたんですが反面ギターの音があんまり聞こえなくてちょっと残念。レゲエ風の曲やメロコア風の曲もあったしギターもわちゃわちゃやってたし、もっと素直な音響のほうが映えただろうなー。と玄人を装ってみましたが最初にJESSE氏を見たときの感想が「顔ちっちゃ~い」だったので毎日のアボカドとヨーグルトは順調に私をスイーツ脳へと変えていってるようです。まぢ語ろっ☆(周回遅れのスイーツのイメージ)

ペットボトルの水をばっしゃばっしゃかぶったり「やべーしゃべんの忘れてた(笑)」って思い出したようにMCし出したり、この人たちなんか本当にバンド楽しくてライブ好きなんだろうなあ、と伝わってきてとても好感触でした。

under the yaku cedar

無料のアウトドアステージに登場した石巻出身のバンド。ギターボーカル、ベース、ドラム、サックスの四人編成です(CDのメンバー欄にはサックスのひとのってませんです)

エアジャム流れの本フェスの雰囲気とはやや外れたジャムロックでした。最初は「次の次に登場する細美武士のために最前列確保をしている女子数人+ノッている私+遠巻きに見ている観客」という感じで、地元なのにアウェーみたいなところがあったんですが、素晴らしいパフォーマンスによって、中盤以降は「最前列細美女子+遠巻き+ノリにのっている私と知らないオッサン+彼らの知り合い」となっていました。あれっ、あんまり変わってない……?

締めのMCで石巻や被災後の想いを語ったあと、それまでのテンションの高さから一転して歌物のミドルテンポ曲をやりはじめました。これ卑怯なやつだ!とミドリの「POP」や凛として時雨の「傍観」を思い出しながら聴き入る。最後の〈ever ever clean… ever clean…〉の連呼と、演奏そっちのけで叫び地団駄を踏み感情をさらけ出すサックスのひとを見ていたらもうなんかマジで泣くやつだコレ。演奏が終わって、会場から大きな拍手が起こっているときに隣からボソッと「ヤバイよ……」とつぶやく声が聞こえたので見てみると真っ赤な髪のひとが真っ赤な眼をして泣いていました。あれ、おれこのひと知ってる!NAMBAさん!?と思いつつ「ヤバイっす」と返してなぜか二人で肩を抱き合ってるうちに終演となりました。

地元うんぬん抜きにしてもめっちゃかっこよかったのでCDを買ってほくほく。iTunesでも売ってます。残響レコード好きなかたなんか良いんじゃないでしょうか。

locofrank

大学の講義室の壁の「locofrank最高←僕も好き!友だちなって!」という落書き以来の邂逅です。

「この石巻ワンパークの噂を聞いてずっとやりたいと思ってた」、「エアジャムのオファー、お前らどうせ来るんでしょ、みたいな感じで来たことない。もちろん今回も呼ばれなくても来たぜ!」など今回のライブへのヨイショ感スゴイ。いや本心なんでしょうけど。でもいくら親しみを込めても方言の真似だけはタブーだから!踏み込んではいけない領域だから!

演奏はかなりの盛り上がりをみせていました。だてに長年活動してねぇですね。みんな大好きlocofrank!かくいう私は目の前にいた背の低い女性が慣れた手付きで手をひらひらさせてるのを見て、ああ、メロコアにもバンギャル的ひとたちはいるのだなぁ、と物思いにふけっていて演奏どころではなかったです。

ANCHOR

石巻出身のスリーピースロックバンド。良い感じの爽やかなギターロック!細美効果もあるのかもしれませんがかなりの集客力で、その真っ直ぐなサウンドと盛り上げ方で会場しっかり湧いていました。コロダイをやろうとした客も出てた(ただしさすがに人口密度が低く未遂)

MCもとても前向き感強く、なかでも「バンド始めた当初からこういうステージに立つのを妄想してましたけど、まさか実現するなんて、嬉しいです。だって、次MAN WITH A MISSIONだぜ!?対バンだぜ!?」は全バンド小僧に希望と夢とはかどる妄想をもたらす名MCでした。

MAN WITH A MISSION

というわけで今日の目玉のひとつ、いまノリにノッてる狼バンドです。ですが、えー、見ませんでした。なんというかくそげろ混んでたのと疲れてたのとで友人と相談してイェイェオだけ口ずさんでました。

細美武士

狼の演奏が終わって間髪入れずに登場。「let it be」や「stand by me」などの海外有名曲とELLEGARDENの曲を数曲披露。ELLEGARDENの曲は「金星」、「風の日」、「虹」などの日本語曲がほとんど。「おれがおまえらの歌を聞きたいんだよ!」という煽りもあり、ほぼ全曲観客との合唱になってました。途中、その辺の客をステージにあげて歌わせたりも。大久保さんという女性だったと思いますが、帰り道狂信的なファンに襲われてないか心配です……。ひとまずのシメは「Make A Wish」(ELLEGARDENでのライブ定番合唱曲)。これはもうエルレファン垂涎のライブだったですね。逆に、彼らの曲を知らない層はちょっと置いてけぼりを食ったんじゃないでしょうか。

ひと段落ついたところでBRAHMANのTOSHI-LOW氏と東北ライブハウス大作戦の西片氏が登場。いや西片氏登場前に二人でなんか演奏したっけかな……?と記憶が曖昧になるくらい演奏せずに三人で延々と喋ってました。しかも女子高生にオナホール投げつけたとかウンコ漏らしたとかさぁ、めちゃ楽しそうじゃないか!

さんざんしゃべったあとに三人+なぜか再登場の大久保さんで「酒と泪と男と女」。何この豪華カラオケ。素人二人がはけたらまたひたすら話し出すも、時間がないことに気付く細美氏。せまるKEN YOKOYAMAバンドの開演時間ととどまることを知らないTOSHI-LOW氏のシャベリに焦りながら泳いだ眼で早口にMC「新大久保の人種差別に対して……」。いやそんな感じで言われても説得力ないから、と誰もが思いましたがその後に演奏したTHE BLUE HEARTSの「青空」のカバーは、長年この界隈で一線張ってるボーカリストふたりの力を見せつけるステキさでそのココロ、しっかり届きました!

KEN YOKOYAMA

超満員の会場で10分くらい押してからメンバー全員アルパカのカブリモノをして登場。そもそも元ネタ見てないしHi-STANDARDもあえて避けてきたからあんまり知らないし寒さのせいなのか横山氏ギターめちゃトチるしずっと外で棒立ちしてたせいで足が痛いしでゆっくり見たいのに超満員で後ろのほうにいても押されるしで体力の限界が来てやむなく途中退場。なんか目玉ふたつをすっぽぬかした気がするけどとても楽しかったので良かったことにします。

宮城の郷土料理おくずかけをうめえうめえと貪ったのち、帰り道、バス停までの誘導係の女性がにこやかに「ありがとうございました!」って挨拶してくれたので最大級のイイ声と笑顔で「こちらこそ」って答えたけど「アッ(笑)」みたいな反応されたあたりで精神的にも限界が来てさようなら石巻。

感想

楽しかった!「がんばろう東北!」みたいな雰囲気強いとめんどうだなあ、とおもってたんだけどそんなこともなく、皆純粋に楽しんでました。あと、ヴィジュアル系でなくてもバンギャル的立ち位置のひとはいて、そこにファンの男も絡んできたらすごくドロヘドロでめんどくさくなりそうだなと思いました!!1

ともかく演者も運営も最高でした。これを機にHi-STANDARDも聴いてみようとおもいました。まる。

投稿日:2013年11月30日