シューゲイザー・チャートに「個人の趣向による分類」を感じる

Twitterでシューゲイザー・ガイド・チャートが話題になりました。

これ↓です。

出典はここ。2015年の画像で、もともとは4chanのスレのようです。

  • My Bloody Valentine『Loveless』
  • Slowdive『Souvlaki』
  • Ride『Nowhere』

この三作品からスタートして「もっとこういうのがほしい!」とか「もっとノイジーなのがいい」とか選んで進んでいく、という内容のチャートです。日本の作品がやたら多いですが、作者さんはべつに日本人というわけではなく、単純に日本の音楽が好きみたいです。シューゲ大国日本……?

シューゲガイドではなく、シューゲ的な音が好きなひとのためのチャート

これ、みればわかるんですけど、シューゲイザーではないよね?というバンドもガンガン入っています。このチャートでも登場するSUPERCARで活動していた中村弘二氏は「シューゲイザーとうちらはそもそもなんの関係もない笑」と反応しています。

そう、この画像は、シューゲイザー・ガイドではなくて、シューゲイザー的な音が好きなひとのためのディグ・ガイドという内容なんです。音楽的共通項によるジャンルでもなく、人間や場所によるシーンでもなく、時系列による歴史でもなく、個人の趣向という軸によるガイドになっている。同じようなチャートでも、下のチャートはもっとジャンル分類的になっていて、くらべると元チャートの特徴がわかるとおもいます。

音楽サブスクリプションサービスによって音楽環境が個人最適化されてきている現状、このガイドの形というのは非常に時代にあっていると感じます。個人の趣向による作品の分類というのは存在を感じることがあって、たとえば「雑食系メタル好きが好きなヒップホップはだいたいDeath Grips」みたいな、ジャンルもシーンもぜんぜん違うのに、なんか同じひとたちが共通して好き、みたいなことがよくあります。だから、そういうレコメンドの形はニーズがあるだろうという気がします。

そういうのぬきでも「あー、これもうちょっと重い音だといいのになー」とか、そういうことはよくあるので、個人趣向型チャートはとても便利です。最終的には「もっとノイジーに」ボタンを押すともっとノイジーな作品一覧が表示されるとか、サブスクにこういうチャートガイドが組み込まれたら便利だなあとおもいます。

もちろん、そういう個人最適化に進みすぎると、音楽鑑賞に広がりがなくなってしまう。あるいはそれは歴史や文化の軽視である。というのはいろんなひとが指摘していることです。そういう視点はもちろんサブスク側ももっており、歴史や文化を学べるような動きが、たとえばApple MusicでいえばBeats1とか、作品詳細の力の入ったテキストとかにみることができます。

こういうのって、膨大なコンテンツがあるなかで、ひとつの志向が支配的になってシーンの傾向が規定されてしまう、ということはないというか、隣をみれば解決策が転がっていることが多いです。いまは、そういう便利なものからこぼれ落ちるようなところを、音楽語り好きなひとたちが、ときに文句いいながら、意識的に、あるいは勝手に補強していく形になっているのかなあとおもいます。とりあえず私は『全ロック史』みたいな本と、サブスクの便利パワーを駆使して、音と文と歴史と文化と、どんどん音楽を楽しんでいきたいな~と考えています。

ちなみにこのチャートをまるまるぶっこんだプレイリストがSpotifyにあったのであわせてどうぞ(880曲もあるよ!)

あと、みんなで得意なジャンルのガイド・チャートつくってほしい。さしあたってはヴィジュアル系で、縦にも横にも膨大なので、13人の識者が集まって円卓会議やりましょう。スタートはX JAPANとLUNA SEAと(ここで何者かの襲撃によって文章は途切れている)

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