アタシ男だけど、ZOMBIE LOLITAに入りたい:大槻ケンヂ的少女観にて

ようやく

ZOMBIE LOLITAを おうえんして くれよな!

いいわけ

はじめに断っておきますが、本記事はZOMBIE LOLITAという集団が持ちうるであろう特性についての内容であります。現在ZOMBIE LOLITAに所属している個々人が後述する少女たちのような性格をもっている、ということではありません。あくまでも集団そのものについての考察です。

ほんぶん

近頃話題のZOMBIE LOLITA(ゾンビロリータ、通称ゾンロリ)という集団がいます。とりあえず動画を見てもらえますでしょうか。

ひとによって感想はちがうでしょうけれども、とりあえずなんか強烈なことは伝わったとおもいます。

ZOMBIE LOLITAは以下のような集団のようです。

  • 団長を中心人物とした「最速の美術団」
  • 構成員は団長+30数名の女ゾンビ+数名の女装ゾンビ(演奏担当?)
  • 10を超えるユニットがある
  • 演奏がおもだが、寸劇っぽいこともやる模様

ここでAKB48、ハロープロジェクト、さくら学院といったアイドル集団を思い浮かべたかたもおおいでしょう。実際にそうしたアイドルのゾンビ版といった指摘はネット上でもされているようです。私もそうした見方には概ね同意です。

近ごろはBiSやBABYMETALなど、アイドルの音楽や表現形態が過激化していることをふまえ、ZOMBIE LOLITAをそうした風潮の極北であるとして語るとおもしろい記事になりそうです。ただ、私はアイドルにはあまり詳しくないのでそれはどなたかにまかせることにします。

私がZOMBIE LOLITAで非常にステキだとおもったところは、過敏な自意識を持ちアンダーグラウンドに興味をもつ少女たち――以下、そうした少女たちの精神考察に長けていた大槻ケンヂ氏に敬意を表してオーケン少女と便宜的に名づけます――の受け皿として機能するであろうことです。

大槻氏の名著『ボクはこんなことを考えている』ではおもにバンギャに焦点があたっていますが、ここではもう少しひろく、上述の精神的特長をもちつつバンド、サブカル、白塗り、ゴスロリ、詩、絵画、写真などのサブカルチャー/アンダーグラウンドな文化に興味をもっている少女たちを対象とします。

オーケン少女は過敏な自意識から日常へ閉塞感をおぼえます。そして日常と理想の世界との乖離から「ここではないどこか」へと身を投じ「アタシのいばしょ」をさがします。大槻氏は下記のように分析しています。

この年頃っていうのは、いちばん自己顕示欲が強くって、さらに自分が何者であるのかを知りたくって、延いては自分が今この世に存在しているってことを認識したい年齢なわけだ。ところが、学校生活にも家庭においてもそれを確認することができない場合、何か他の手段で自分の存在を確認したくなる。(大槻ケンヂ『ボクはこんなことを考えている』、角川文庫、1996年、192-193ページ)

このように、「アタシのいばしょ」探しの背後には、強大な愛情欲求や尊敬欲求、自己実現欲求があります。前者ふたつを満たすために、たとえばバンギャはサイゼンを確保したり、オキニになったりするわけです。また一方で、自己実現をするべくバンドにならってギターを弾いてみたり、詞をしたためてみたり、あるいは絵を描いてみたりします。

ZOMBIE LOLITAはこうした少女の欲求の担い手となりえます。<心身ともに健康な方。 女性/ベーシスト.ギタリスト. ボーカリスト、ダンサー、役者など。 キーボード、ピアノ、各楽器、DJ、ビデオ班などなど。 ZOMBIE LOLITAの活動に共感し表現に情熱がある人の参加を常に求めています。>と公式サイトに書いてある、開かれた芸術ゾンビ集団に所属し、交流し、ステージのうえで注目されることは、うえにあげた欲求すべてを満たす可能性を秘めています。こうしたアンダーグラウンド界の少女学校とでもいうべき機能がZOMBIE LOLITAには備わっています。そしてその学校生活は、確実に彼女たちの芸術欲を刺激し、あるいは才能を開花させることでしょう。

中心人物である団長氏はグラインドコアを筆頭に音楽全般に造詣が深いようです。同時に写真編集や絵のプロフェッショナルでもあります。また、ZOMBIE LOLITAはストロベリーソングオーケストラやぐしゃ人間など、そのスジでは有名なバンドとも交流があるようです。さまざまな方面の芸術活動に造詣が深い指導者のもとで、芸術家たちにふれながら芸術家側の環境に身をおくことは、ゾンビたちの感性を研ぎすまします。そのなかでじぶんの肌にあった芸術活動を見出すゾンビがでてくるでしょう。あるゾンビはギターを弾き、あるゾンビは絵を描き、またあるゾンビはボイスパフォーマンスに目覚める……。そこにはZOMBIE LOLITAに所属していなければ埋もれていた才能だってあるはずなのです。

そう、ZOMBIE LOLITAは、おおくの表現形態において、日本のアングラシーンの巨大な交差点、母体となる可能性を持っているのです。やだステキ!

そしてもちろん、一部のゾンビたちは、各種欲求をうまく手なづけられるだけの歳月を重ねたことで、ふつうのニンゲンにもどることもあるでしょう。それでも若き日の屈折した衝動をこういう形で発散できたらすごく健全です。それでたとえば結婚して、子供に「お母さん実は昔ゾンビだったんだよ、アハハハハ」って笑って、すごくステキな人生です。

というわけで精神的にオバンギャなのになぜか男なアタシとしては、ステージ上にひしめくゾンビたちが非常に輝いてみえ、ただただうらやましい限りです。アタシ男だけど、ゾンビになりたい!

以下リンク。だれかが指摘したほうがよいことなので私が犠牲になりますが、公式サイトがちょっと見にくいです……。WEBデザイナーゾンビどこー!?

公式サイト:http://www.nekoten.net/zombie/zombie-top.html
YouTube:http://www.youtube.com/user/TeijinChana?feature=watch