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THE COLOUR PINK IS GAY『i/O』のキャベジンいらずのコッテリ感。

高校時代、虹色のブレスレットをつけてバーにいったら黒人にすりよられてカマ掘られそうになり、最後は「レインボーはゲイの合図なんだよ」と優しく諭されて帰ってきた知人の話をおもいだし、「いや、THE COLOUR RAINBOW IS GAYだろ」ととりあえず突っ込んでおいた (尻穴に)。

ひとまずはテクニカルデスコアといったかんじで、ザクザクとグルーヴィにリズムをきざむギターにテロテロ上下にせわしないギターを絡ませるスタイル。最近のCRYPTOPSYにちかい。たしかにバンド名からも、FLO様が若いボーカルをご寵愛なさっているというゲイズムあふれる事実へのリスペクトがにじんでおる。なあ。

などとおもっていたら、それだけではすまず。CONVERGE直系といったカオティックなフレーズやネオクラスト/ポストメタル風の重厚な叙情性、MESSHUGAHっぽい変拍子、ポストロックっぽいトレモロなどがからみもうなにがなにやらわけわかんねー。なんかジャズとゲイのセクシーボイスもぶちこまれてくるしよー。

そのニンニクヤサイマシマシアブラカラメなこってり感に脳がもたれてゲリゲリゲリゲリと下劣な笑いを出していたんだけれども、聴き終えてみるとなんかすげー後味よいの。これたぶん、ぶちこんでる要素の配合と切り替えの時期がいいんだろうなあ。うえにあげたような要素ってのは大御所のフォロワーがうじゃうじゃわいてて「いやもうそういうのいいから」っていうジャンルばかりなんだけれども、やはり音楽的にカッコいいわけで、好きなひとが聴けばふいに出てくるとやっぱり「おっ」ってなるもの。その「おっ」が「あーでもこれアレじゃんねえ」ってなるまえにデスコアにもどって、また次の要素にうつる。そうね、大体30秒以内にはいったりきたりしてるんじゃないかしら。

そういう雑多な音楽性でもまとまって聴こえるのは、そもそもが「テクニカル」っていう印籠ぶらさげてるっていうのもあるし、あとはボーカルの使い分けのうまさもある。まさにデスコアな下水道声からグルーヴメタル風野生声、カオティック風高音シャウトまで、まーなめらかに叫びあげるんだわ。ボーカルはひとりだけど、たまに掛けあいになるのでべつのひとがコーラスをやっている模様。

なにぶん基本の音楽がデスコアなうえにいろいろ詰め込みまくってるのでジャンクフード感は否めない。けど、たとえばマクドナルドみたいなジャンクフードだって期間限定メニューやオマケを駆使して我々を惹きつけ収益あげまくっているわけだよ。そして我々よりよっぽど舌のこえた人物たちがあれこれ苦心して「ジャンクフード」をつくりあげているわけだよ。そう考えるとこの作品は、とても前向きな意味でジャンクフード的。今後も思い出しては聴き、思い出しては聴き、中毒に陥っていきます。