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oaqk『Munchen』が見せた2色のモノクロ。

カバー画像

 モノクロという言葉は暗い音楽を評するときによく使われる。その言葉はほとんど「色が無い」という意味を持って暗さを表現する。そして概ね「絶望」といったフレーズが出てくる。そういうCDのアートワークは大体モノクロの写真である。ああ手垢。

 さて本作は。ジャケットはモノクロのクラゲ写真である。そして中身もトレモロリフを主軸とした「絶望」的でモノクロなポストロックである。ああ手垢。

 じゃない。

 彼らのモノクロはただのモノクロとは違う。忘れないでほしいのは、モノクロには白と黒はあるってこと。そう、彼らの「モノクロ」には「色」としての白と黒が確かに存在するのです。

 国内のフューネラルドゥームバンドFUNERAL MOTHとの対バンという事実が表す「黒」さ。
 SAXON SHOEの来日ツアーサポートが
表す「白」さ。

 そのふたつが見事に存在しておるのです。そして驚くべきは最終的な発現としての「黒」は悲哀で、「白」のやっぱり悲哀だってこと。黒と白が対比になってねー。どんなに塗っても悲哀以外でてこねー。即ちやはりモノクロなのでした。

 べつの「色」でありながら同じ「色」。この2色でねりあげられた楽曲群は、あなたの感情をどこまでも沈めてくれるでしょう。深く。深く。 作曲面では、曲を展開するうえで継ぎ目というか、ああ、ここで場面が変わるんだなってはっきりわかる部分がちょくちょくあって、それはジャムセッションから楽曲を作り上げるという手法によるところなんでしょうか。無意識で骨格部分を作曲するこういう手法には楽曲 が手癖になってしまう危険性もある。一方ポストロック風にまとわりつく作りこみすぎたわざとらしさやお芸術感を減退させている部分で もある。

 演奏力あるいは録音技術は手放しで褒めてつかぁさい!奥行きを感じる轟音ギターや手加減なしの低音、そして地に足を着けっぱなしで音像を支え続けるどっしりとしたドラムは垂涎もの。SAXON SHOREの来日ツアーのサポートやFUNERAL MOTHとの対バンを行っただけはあります。
 つうわけでどこまでも続く悲哀にひたりたいひとはぜひ。